いらっしゃいませ。ワタリです。
このブログは新卒で小売業に入社し、店舗勤務→人材業界→IT業界と小売店舗から2回の異業種転職をしてきた実体験をもとに、異業種転職のポイントをまとめています。
異業種転職を検討している時に気になることとして、「異業種転職は何歳まで受け入れられる」のでしょうか。
気になる記事があったので見てみましょう。
年齢別異業種転職の実態
転職サイト・転職エージェントの大手dodaが公開した調査データによると、世代を問わず多くの人が異業種へ転職していることがわかります。
全年代で「異業種からの転職」の割合は60%を超えており、最も高い24歳以下では72.8%でした。最も割合が低い35~39歳でも64.3%。また40歳以上では、65.9%と再び割合が高まっています。2014年(2014年3月~8月)にdodaが実施した同様の調査では、異業種転職の割合が70%を超えた年代はなく、最も割合の高かった24歳以下でも66.5%でした。
出典:doda 30,000人の転職事例が示す、異業種転職の割合が高い業種は?【2021年最新データ】
https://doda.jp/guide/saiyo/012.html
正直、この結果は私も予想外でした。
自分自身と友人知人、元同僚などを見ても、30代半ばぐらいで異業種転職に成功している人は少なくありません。また、20代については第二新卒やポテンシャル採用など、中途採用が即戦力重視とはいえ未経験の枠も設けられている企業もあります。
しかし、30代後半以降、40代を超えてくると、転職市場では即戦力の専門性やマネジメント経験の有無を理由に異業種転職は難しくなると感じていました。どうやら結果は違い、年齢を問わず異業種へのチャレンジは受け入れられていると理解できます。
また、同じ調査ではこのようなことも明らかになっています。
「異業種」と言っても、例えば「IT/通信」業界のSIerから「サービス業」に分類される業務コンサルタントへの転職などのように、業種という切り口での分類は違っても、もともと相性がいい、転職可能性が高いパターンというものはあります。
出典:doda 30,000人の転職事例が示す、異業種転職の割合が高い業種は?【2021年最新データ】
https://doda.jp/guide/saiyo/012.html
注意すべきは、全く無関係の業界や職種に転職しているのではないだろうということです。引用文の例ではSIerから業務コンサルへの転職事例を紹介しています。
SIerなど、IT企業がシステムを導入する際にはAs Is/To Beというように現行の作業実態をつぶさに洗い出した上で、あるべき状態を定義、そのギャップを乗り越えるためにITシステムの要件を定義するというプロセスがあります。
業務コンサルでも現行業務の実態把握や課題整理、あるべき状態の定義などは行います。ギャップを乗り越えるためにITシステムの導入をするかどうかは案件によるかと思いますが、SIerと経験業務が近いこともあります。
このように、業界や職種は違ったとしても、具体的な業務を洗い出した時に
- 重複している業務が多い
- 一見違うが、業務が似ている
- 業務そのものは違うが、業務の本質ややるべきことが近い
という場合は十分に転職できる可能性はあるのでは無いでしょうか。
異業種転職の実体験
筆者の場合

私の場合、
・ 1回目:20代後半(第二新卒ではない) 小売×店舗→人材×営業 ・ 2回目:30代前半 人材×営業→IT×リサーチャー
というように異業種で転職しました。
1回目の転職(小売×店舗→人材×営業)では、接客経験やコミュニケーション能力の期待、オペレーションの維持改善の経験、マネジメント経験が評価され未経験でも受け入れられました。
2回目の転職(人材×営業→IT×リサーチャー)では、提案方のコンサルティング営業の経験、本部内の業務プロセス標準化の経験が評価されました。また、小売時代にP/L管理を担っていたことも評価されたそうです。
未経験の異業種だったとしても、業務に重なる部分があり、キャッチアップできると見込まれた場合は転職できているのかと思います。現職のIT企業では30代で異業種転職で入社している社員も多くいます。前職までの経験を聞いていると、皆何かしら今の仕事に活かせる経験やスキルを備えており、未経験でも自分の経験を応用することで仕事を進めています。

これまでの周囲の人(上司・部下・同僚・先輩・後輩・同期)で転職した人を見ていると、意外と異業種へ転職している人の方が多かったです。
知人の場合①:小売からの転職
異業種への転職先としては
業界:小売・人材・メーカー・IT・不動産・建築・物流・金融・コンサル 職種:営業・販売・一般事務・マーケティング・商品企画・人事・コールセンター(SV)・秘書・運行管理・コンサル
などが挙げられます。
傾向として、
- 業界は幅広い(関連する業界が多いためきっかけやヒントが得られる)
- 対人コミュニケーションが必要な仕事
- 商品やマーケティングの企画
- SVなど、管理ポジション
- リアルタイムでオペレーションを管理、標準化する仕事
- (経験していれば)人事などのバックオフィス系の部門
へと転職しています。
20代前半では営業・販売・一般事務・秘書・コールセンター、20代後半になるとマーケティングや商品企画、コールセンター(SV)、30代以降は商品企画やオペレーション管理などへ転職している人がいます。人事などのバックオフィス部門は、経験していれば年齢問わず転職しているようです。
20代では対人コミュニケーションが重要な仕事、30代以降以降はオペレーション設計や標準化、P/L管理の経験は活かせるポイントだと思います。
知人の場合②:人材からの転職
異業種への転職先としては、
業界:IT・サービス・コンサル 職種:営業・マーケティング・BizDev・人事・コンサル・PM・新規事業立ち上げ・ITエンジニア
傾向としては、
- 転職先の業界はほぼIT業界
- 営業やマーケティングなどの売上を作る仕事、BizDevや新規事業立ち上げなど、事業を作ったり推進したりする仕事が多い
- 独立してフリーランスになったり起業する人が一定数いる
- 起業規模は、日系大手起業よりもベンチャーやメガベンチャー、外資系企業が中心
- 転職後の職種などにあまり年齢のばらつきがなく、20代半ばで起業する人もいれば、アラフォーで営業職として転職する人もいる
- 人事へ転職する人が一定数いる
人材サービスの営業をしており、クライアントが企業の人事部門であることも多いため、人事に転職するというのをよく聞きます。人事に興味があるもののなかなか異動できず悩んでいる人は、一度人材業界で営業職の経験を積むと次回転職時に人事部門へ転職できる可能性は開けると思います。
人材業界では人に関する事業をやっているのに加え、人材業界へ転職で入ってくる人や出ていく人が多いため、「(この会社で何年かやったら)次どうするの?」という会話を当たり前のように日々しているのが面白かったです。
まとめ
異業種転職の実情がどうなっているのか、調査データと私の周りの人の実例をご紹介しました。
・ 異業種転職は実は年齢を問わず成功している ・ ただし、転職前→転職後の仕事が重なっていたり似ているなど、応用できる経験 ・ 小売業界から転職する場合、業界・職種ともに実は幅広い ・ 人材業界から転職する場合、年齢を問わずビジネスを推進していく仕事で歓迎される ・ 人材営業から人事部へ転職する人が一定数いる
ということがいえるかと思います。
異業種への転職を考えている場合、現在までの自分の経験してきたことやそのポイント(どんなことをやり、何に貢献しているのか)と、希望している業界や職種で求められている内容の重なる部分・応用できる部分を整理していくと可能性は開けるかと思います。
未経験の異業種への転職に悩んでいる方も、ぜひ一度チャレンジしてみてください。この記事やブログが皆さんの転職活動やキャリア形成のお役に立てると嬉しいです。
ありがとうございました。またどうぞお越しくださいませ。