いらっしゃいませ。ワタリです。
このブログは新卒で小売業に入社し、店舗勤務→人材業界→IT業界と小売店舗から2回の異業種転職をしてきた実体験をもとに、異業種転職のポイントをまとめています。
異業種転職は情報戦で、特に企業分析では、経験や知識の無い業種の企業の理解を深める必要があります。しかし、普段仕事で接点の無い業種の情報を得るのにどうしたら良いかわからないことはありませんか?これまでの異業種転職で実際に役に立ったサービスをご紹介します。
業種
まずは興味のある業種の概要を知る必要があります。
- この業界での大手企業はどんな企業で、売上や従業員数の規模はどれぐらいか
- 商品やお金の流れはどのようになっているのか
- この業種でトレンドになっているのはどのようか
実際には、各業種の人が読んでいる専門誌などもありますが、その前段の情報収集としては下記2点が有効でした。
業界地図:有料(雑誌)
おなじみ四季報が毎年発行している業界別まとめ雑誌です。押さえておくべき内容が、図解でわかりやすく表現されています。トレンドワードでまとめられたページもあるため、転職活動で理解しておくべきテーマも把握できます。
関心のある業種の中心企業、キーワードは押さえておきましょう。
ポイントは、必ず最新刊を購入すること。毎年トレンドワードが変わっていたり、企業の情報が変わっていたりするので、最新の物を購入してください。
Googleアラート:無料
Googleアラートとは、キーワードを登録しておくと関連している情報をメールで送ってくれるサービスです。
業界地図で把握した業種のキーワードやトレンド、気になる企業名を登録しておくと自分で調べずに情報を送ってくれるため非常に便利です。
ポイントは、あまりにビッグワードすぎる情報を登録しないこと。情報量が多すぎて見きれず、結局見なくなってしまいます。ある業種に関連するキーワードがちょうど良いかと思います。
企業
関心のある業種の概要を理解した上で、具体的な企業の内容理解を進めましょう。
企業分析で重要なのは、
- 誰に・何を・どのように売って事業しているのか
- どのようなお客様やパートナー企業がいるのか
- 何のために・何を大切にして事業しているのか
- 具体的な売上規模・従業員数や組織図はどのようになっているのか
- 企業内でどのような部門が・どのように連携しているのか
- 関心のある部門・職種の役割は全体の中でどのようか
- 関心のある職種はどのような仕事をしていて、どういう人が求められているのか
- 実際に働いている人たちはどんな人たちなのか
などを把握することでした。実際ノートなどにまとめていくと一社でもかなり量があります。
現職については多くのことを話せると思いますが、転職希望先も同じぐらい理解できるようにできるだけ情報をかき集めましょう。
採用サイト:無料
採用サイトには、企業の概要がわかりやすくまとめられていることが多かったです。特に、新卒採用サイトを個別に設けている場合、学生向けに噛み砕いて説明されていることが多く、異業種の企業分析をするのにとても便利でした。
求人情報や求める人物像には詳細が書いてありますが、社員紹介もオススメです。どういう雰囲気の人がいるのかわかりますし、企業概要ページにある「企業理念」「ビジョン・ミッション・バリュー」などがインタビュー内で繰り返されている場合、それを大事にしているということがわかります。
特に面接前には、採用サイトは全ページ見ておくことをオススメします。
有価証券報告書:無料
有価証券報告書とは、上場企業が提出を義務付けられている、投資家に対して有効な情報を開示する書類です。EDINETというサービスや、多くの場合企業のIRページで四半期に一度ダウンロードできるようになっています。
投資家向け資料ということもあり、図解などもなく財務諸表などの専門知識がなければ読むのは少々難しいかもしれません。その場合、最低限読んでおくべきは
- 経営方針
- 事業環境
- 課題
などです。今苦しんでいることや、今後やろうと考えていることが書かれているので押さえておくべき資料です。
決算説明資料:無料
決算説明資料とは、経営状況や戦略、施策などをわかりやすく開示している資料です。有価証券報告書と違い、図解やグラフなども多く、専門知識が無くても(知らない単語はググればいい程度)理解できるようになっていることが多いです。また、部門ごとの取り組みや世の中のトレンドに対してどう取り組むのかということも解説されています。有価証券報告書同様、多くの企業では四半期に一度開示されます。
理解しておくべき視点はこれまでのものと同じですが、関心のある職種・部門に関連するような内容は何度も読み返すことをオススメします。特に面接の逆質問では、決算説明資料を読んだ前提で踏み込んだ質問をすると反応が良かったです。
異業種転職は情報戦ですので、関心のある業種の売上高上位5〜10社の決算説明資料を熟読しておくことで、その業種の大きな流れは把握できます。ぜひ読んでみてください。
お役立ちサービス
業種や企業の情報で見るべきポイントがわかったとしても、情報が集約されている場所や予備知識も身につける必要が出てきます。下記のようなサービスを使うと、効率的に情報に厚みを持たせることができました。
バフェットコード:無料【オススメ】
個人的に最オススメです。バフェットコードとは、上場企業の経営情報を簡単に一括検索できるスーパーツールです。基本機能は無料で利用できます。
検索することで、企業の経営・財務状況が丸わかりにになったり、競合企業との比較、上記の有価証券報告書や決算説明資料もここからダウンロード可能です(バフェットコードがまとめてくれるまでは、各社のwebサイトのIRページにいき、資料を一つ一つダウンロードする必要がありました。ちなみに、日本にある上場企業の数は2021年10月末時点で3,786社あります)。
企業検索では、様々な要素で絞り込んで検索でき非常に便利です。ここで関心のある業種の売上高上位企業をリストかし、各社の資料をダウンロードして読んでいくことで知識を身につけやすくなります。
また、主要株主の検索も可能で、オーナー企業に入社したい(避けたい)時は具体的な株の保有状況も確認できます。
転職だけでなく、営業、投資などに本当に便利なのでぜひ使ってみてください。
FUNDA:無料
FUNDAは会計や財務などをクイズ形式で手軽に学べるサービスです。

身近な企業も出てくるので、「なぜそういう商品や店舗展開をしているのか」など戦略部分も理解できるようになるかもしれません。制作者の大手町のランダムウォーカー氏が出している『世界一楽しい決算書の読み方』という書籍もオススメです。
yenta:無料
yentaは、興味のある人と手軽にマッチングできるビジネスマッチングアプリです。

関心はあるけど知り合いのいない業種や職種の現役の方とマッチングすれば、どのような仕事をしているのかを聞くことができます。運が良ければ、志望している企業の現役社員の方とマッチングできることもありますし、情報収集やネットワーキングなど便利です。
私自身、yentaがきっかけで取引が開始したお客様や、プライベートで仲良くなった人もたくさんいます。気をつけるべきは、個人向け商材の営業の人も少なくないということです。予めどういう人とマッチングしたいか明記しておくことをオススメします。
PR TIMES:無料
PR TIMESは、色々な企業がプレスリリースを発信しているwebサイトです。

日々スタートアップから上場大手企業まで多くの情報が発信されており、世の中でどのようなサービスや取り組みがなされているのかを知ることができます。次々と新しい情報が配信されていくので、全て見ていくのは時間が足りません。お昼休みや通勤中など決まった時間に5分だけ特定のカテゴリをざっと見ていくと、色々な取り組みを知ることができ、便利です。
スタートアップやテクノロジーについて発信しているBRIDGEというサービスもあり、より特化した内容が配信されています。IT業界に興味がある人はこちらも併せてご覧になることをオススメします。
転職サイトの求人:無料
異業種転職では、転職サイトにある実際の求人を大量に見ていくのも有効でした。関心のある業種・職種に絞り込んで検索、出てくる求人を次々に見ていくことで、その業種や職種に求められている大きな傾向が理解できました。特に、
- 求める人物像
- 必須要件
- 歓迎要件
- 年収
を見ると、「ある業種(職種)ではどのようなスキルとマインドがあれば年収⚫︎⚫︎万円ぐらいが相場」とわかります。異業種でテクニカルスキルが無く、ポータブルスキルで勝負する必要があるときは特に、求める人物像とマインド、歓迎要件とポータブルスキルが一致するかどうかを見ることで、転職活動の戦略立てに役立ちます。
自分から検索して見にいくのが面倒という場合、多くの転職サイトではオススメ求人を配信してくれるため、受け取ったものを見ていくだけでも理解が深まります。
異業種転職は情報戦で、未経験の業種でも実態をどの程度掴めるかで成功確率が高められます。便利なサービスを使って、転職活動に活かしてください。
皆さんの転職活動やキャリア形成に少しでもお役に立てれば嬉しいです。
ありがとうございました。またどうぞお越しくださいませ。