小売店からの異業種転職を成功させる2つの視点と2つのマインド

小売からの転職

いらっしゃいませ。ワタリです。

このブログは新卒で小売業に入社し、店舗勤務→人材業界→IT業界と異業種転職をしてきた実体験をもとに、異業種転職のポイントをまとめています。

今回は、異業種転職で理解しておくべき基本的なポイントについて振り返りたいと思います。

先に結論をまとめると、「自分を商品として、企業(=お客様)へ自分から営業をしていく」ということが重要でした。

では、どういうことか見ていきましょう。

企業の視点

採用はお金がかかる

そもそも、企業はなぜ人を採用するのでしょうか。

僕が人材業界で営業として企業の方々と商談していた時には、例えば以下のような声がありました。

  • 業績拡大のため、人員を増やして売り上げをさらに拡大したい
  • 欠員が出たので補充したい
  • 新しい事業にチャレンジするため、その領域の経験者に事業を引っ張ってもらいたい
  • 人員を増やして組織体制を強化したい

企業の目線で考えた時、中途採用をする=転職者に内定を出し入社させることはお金がかかります。その上、採用した転職者がすぐに企業が求める成果を出せるとも限らない為、育成するのにもお金がかかります。

ちなみに、中途採用ではどれぐらいお金が掛かっているでしょうか。

こちらのwebサイトでは、

2018年度の中途採用にかかった平均採用コストは、1人あたり84.8万円。

出典:engage 一人当たりの採用コストは?平均相場を徹底解説!

と紹介されています。コロナ前で採用市場が活況だった2018年の数字ですが、21年度以降、中途採用が強化されているということを考えても、あなたが転職するために企業は100万円近い金額を支払っているということがわかります。

実際に入社すると給与・賞与に加え社会保険や福利厚生、使用するPCやITサービスの利用料なども積み重なります。

企業は人を増やすのに大きなお金をかけてかけています。当然、「思っていたのと違った」ということにならないよう、面接などを通して求職者と相互理解を深めようとしています。

採用するために転職サイト・転職エージェントを利用している

人を採用したい企業は転職サイト・転職エージェントを利用しています。

あなたがプライベートで数十万、数百万円のお金を払って何かを買う時のことを想像してください。よく調べ、吟味した上で「この金額を支払ってメリットがある」と納得したものを買うのではないでしょうか。

例えばあなたが買い物をする前には、Google検索して同じような商品の中から厳選していくと思います。ブランドのwebサイトを見てどんな商品なのか、機能はどういうものか調べ、Amazonや楽天、価格ドットコムでより安く買えるところを探し、手続きが簡単なところで購入する、ということは自然だと思います。

企業と採用に話を戻します。企業はお金をかけて人を増やしますが、要望に合った求職者とはどこで出会えるのでしょうか。Googleで検索しても、面接したい個人とはそうそう出会えません。ここで登場するのが、求人広告を出せる転職サイトや、多くの求職者の相談に乗っている転職エージェントなどの人材サービスです。

マイナビの調査によると、

 効果があったサービス・手法の割合をみると、「転職サイト」と「人材紹介会社」で7割超、「ダイレクトリクルーティング」で6割超と高い。

出典:マイナビ 中途採用状況調査(2021年版) https://www.mynavi.jp/news/2021/03/post_30192.html

となっており、企業はこういった人材サービスを利用して、自分たちが求める求職者と出会っていることがわかります。中にはIT業界特化、若手や第二新卒を得意とする人材サービスなど、得意な領域に特化しているサービスもあります。こういった人材サービスは求職者も登録できるます。つまり、人を採用したい企業が利用している転職サイト・転職エージェントを利用することで企業との接点を増やすことができるのです。

異業種転職成功のためのマインドセット

自分という商品を提案する

企業は通常、Google検索しても求職者個人を直接探すことはできません。そのため、転職サイトに求人を出して応募を募ったり、転職エージェントに相談してエージェントおすすめの求職者を提案してもらったりして候補者を見つけ、自社にあった人物がどうか検討します。

あなたが買い物をするとき、その商品のwebサイトを見れば機能や価格、特徴やメリットデメリット、その商品の雰囲気を知ることができるでしょう。これを転職に当てはめると

・カタログ:職務経歴書
・機能:スキル
・金額:希望年収
・雰囲気:人柄

と言い換えられます。

こういった候補者の情報を、面接前に企業が知るのは職務経歴書が中心です。

そのため、職務経歴書は単にこれまでの仕事内容を書くのではなく、買い手目線で考えたときに買いたくなるような内容、つまり、「この人を採用したらなんとかなるかもしれない、会ってみたい」と思ってもらえるように書類上で提案することを意識してください。

あなたが店頭でお客様に商品をご案内するとき、ベネフィット話法を使うことは多いと思います。

ベネフィット話法:商品を提案するとき、商品の機能や特徴を伝えるのではなく、それによって得られるご利益を伝える提案方法。

これを職務経歴書や面接でも使いましょう。

企業の求める求人には「◯◯をするために、◇◇に困っている。なんとかできる▽▽な人が欲しい。」ということが書いてあります。

職務経歴書には「自分は▼▼の経験とスキルがある。なので、貴社の⚫︎⚫︎に貢献できる。」ということを提案してください。

同じように、面接でも単に自分の経験を話すのではなく、それによって得たものや入社後どのように活かして活躍できるのかを提案することが重要です。

面接では職務経歴書に書いてあることに加え、あなたの人柄や雰囲気、入社して本当に活躍してもらえるのか、自社と雰囲気は合っているのかなどを見られています。

企業には自分から出向いていく

店舗で働いていると、お客様は自然と来店します。(本当はそこにも大きな企業努力がありますが、店舗従業員の視点だと)

ただし、いわゆる営業はこのようにはいきません。そもそも自分たちに興味を持っていない見込み顧客に自分からアプローチし、商品やサービスとご利益を理解してもらい、予算を確保してもらった上でその人の上司や役員の決裁を取る必要があります。

興味がない人へ自分からアプローチしていくという営業の仕事は、店舗の接客とは全く違うやり方になります。また、目の前の人が納得してくれても上司がNOといえば買ってもらえません。

転職でも同じことが言えます。

そもそも自分のことを知らない企業へアプローチし、自分の経験やスキル、人柄を理解してもらった上で、人事や配属予定の現場責任者など複数の人の合意を得て承認をとっていくことが必要です。

店舗勤務をしているとお客様は自然と来るのが当たり前な環境ですから、自分から何も知らないところへアプローチしていくのは非常に勇気が入ります。気持ちややり方をこれまでと逆転させる必要があります。とはいっても慣れ親しんだやり方を自分だけで変えるのは大変ですから、転職エージェントなど転職者と企業を繋ぐサービスを利用していくことで、この部分を切り替えていくのを一緒に頑張ってもらうのが効果的です。

ただし、転職エージェントから見たとき、転職者のスキルや経験、ポテンシャルが商品のようなものですから(転職エージェントは企業へ提案した人材が入社したら手数料を企業からもらいます)、前提として転職エージェントに対して「いい人材だ、ぜひこの人を企業へ売り込みたい」と思ってもらえるように提案していく必要があります。

ここでも自分から積極的に提案していくスタンスが必要です。繰り返しになりますが、自然と来たお客様に商品を紹介するというところからはある種真逆のやり方に行動を変えていかなければなりません

転職エージェントへの提案を経験していくことで、企業への提案の場数を増やしていき、待ちではなく積極的なスタンスを身につけてください。

店舗勤務の場合、自分から提案をしていくことは少ないので苦労することも多いと思いますが、これができるようになると転職後もスムーズに仕事に慣れていけると思います。ぜひ、頑張ってください。

まとめ

今回は転職というのは自分を商品として企業へ営業する物であると説明してきました。

まとめると、

  • 企業から見ると採用は労働力の購入→採用する側の視点を想像しながら活動する
  • 企業は良い求職者が集まる場所にいる→企業が利用している人材サービスを利用する
  • 企業=お客様として自分という商品を提案する→自分を購入するベネフィットを伝える
  • お客様である企業へは自分から出向いていく必要がある→営業のように積極的にいく

まずは転職活動を始めてみて、実際に面接には進まないという選択もあります。しかし、普段小売店舗で勤務していると出会えないような業界や職種の人たちと話せるのは面白いことも多いです。そこから自分が興味のあることややりたいことが見えてくることもあるので、まずは転職サイトや転職エージェントに登録して相談から始めてみるのをお勧めします。

このブログが少してもみなさんの転職活動のお役に立てると幸いです。

ありがとうございました。またどうぞお越しくださいませ。

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