「仕事辞めたい」と感じる小売店勤務のあなたへ

小売からの転職

いらっしゃいませ。ワタリです。

このブログは新卒では小売業に入社し、店舗勤務→人材業界→IT業界と異業種転職をしてきた実体験をまとめています。

酷いクレーム対応で疲弊するなど、小売店で働いていて「仕事辞めたい」と思ったことがある人は少なくないのではないでしょうか。私自身、小売店でクレームがきつい店舗で働きながら体調不良になったことがあります。結論、私としては職場を変える、異動が難しければ転職という行動をした方がいいと思います。転職までいかなくとも職場を変えなければ状況は良くならない(ならなかった)というのが持論です。

とはいえ、「仕事辞めたい」モードになっている時はまるで心のエネルギーが切れているような、普段やっていること以外に何かプラスしたり、改善しようという気持ちすら出てこないこともあるかと思います(あまりひどい場合心療内科などに行った方がいいです)。しかし、なんとかするには結局職場を変えるしか正直ありません。残念ながら、苦しんでいる状態に対し、自分以外が抜本的な解決をしてくれるということはそうそうないと思います。

心身に影響が出ていればまずはメンタルケアを

ストレス過多で心身に影響が出ている場合、まずは専門家に相談して適切な対応を進めることを検討した方が良いと思います。無理をしてしまうと余裕がなくなってしまい、「なんとか良くしよう」という前向きな気持ちそのものを出すことができなくなります。まずは状態を整えましょう。

その時の相談窓口としては例えば、

  • 所属企業のメンタルヘルスの相談窓口
  • 近隣の心療内科・精神科
  • 公的機関の相談窓口
こころの健康相談統一ダイヤル
こころの健康相談統一ダイヤルについて紹介しています。
こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト
働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト「こころの耳」(厚生労働省サイト)です。働く方やそのご家族、職場のメンタルヘルス対策に取り組む事業者の方などに向けて、メンタルヘルスケアに関するさまざまな情報や相談窓口を提供しています。

などがあります。何はともあれ、ご自身を大切にしてその上で前向きになったタイミングでポジティブな活動に繋げるのが良いかと思います。

これより先は、心身の不調はある程度解消した状態としてご覧ください。


筆者が「仕事辞めたい」と感じていた小売店舗勤務時代

私自身、小売店勤務時代「仕事辞めたい」と辛かった時期があります。

全国チェーンの小売業で店舗勤務していた時、全国でもクレームがトップクラスに多い店舗で働いていたことがあり、異様に怒鳴ってくる人がいたりクレーマーがいたり、上司もパワハラ気味だったりでその時は毎日「仕事辞めたい」と思っていました。今思うと、毎日怒鳴られ続けていたためか色々と正常な判断ができていなかったように思います。結局、転勤で違う環境の店舗に異動したことで状況が変わり、「仕事辞めたい」状態は解消していきました。

仕事を辞めたくなる理由

ただなんとなく悩み続けても改善していきませんので、まずは仕事を辞めたくなる理由を明確にしてみました。そうすると、「あ、自分はこういうことに不満を感じているんだな」と理解することができ、同じ思考をぐるぐる続けているよりも前向きな思考に切り替えることができました。

では、小売店舗勤務で「仕事辞めたい」となる理由にはどのようなものがあるでしょうか。

クレーム

一番最初に思いつくのはクレームです。やはり、小売店で最もストレスがかかるものでしょう。単発でたまたま理不尽な仕打ちを受ける、というのはある種事故のようなこともありますが、問題なのは頻度です。業態や出店地域によっては、毎週のように怒鳴られるということもあるかもしれません。

さっと切り替えられる人は問題ないかもしれませんが、普通の人は誰かに敵意を向けられるということに当然慣れていません。立ち直ったと思った1〜2週間後にまた怒鳴られる、上司からも詰められてばかり、ストレス解消できる趣味が無い、元々好きだったものがストレス過多で楽しいと感じなくなり余計ストレスがたまる、となると逃げ場が無くなります。そうなると「仕事辞めたい」と思うのも無理ないと思います。

悪質な場合、当然上司に相談の上会社として毅然と対応すべきです。上司や会社はそういう時になんとかする責任を負っています。昨今、カスタマーハラスメントなどが取り沙汰されるようになり、各社で対応窓口やガイドラインの整備が進められているので、自社ではどのようになっているか確認しておくことをオススメします。

勘違いしないようにしておきたいのは、商品不良を初め、店舗や企業側に不備があった場合しっかりとお詫びをして迅速に対応すべき、というのはクレームではないということです。「この内容でここまで怒る!?」と思うようなこともあるかもしれませんが、そのお客様にとっては重大なことだったのだと理解して対応しましょう(そうは行っても怒鳴られるのはしんどいですが)。

余談ですが、小売から異業種へ転職した後、「店舗勤務で実際に出会った驚きのクレーマー10選」などを話すと話の口火を切りやすいです。クレーム対応中は本当にしんどいですが、小売店で奮闘しているみなさんがいつかそのように笑い話にできるように祈っています。

しんどい割に給料が低い

一部の超大手企業をのぞき、一般的に小売業の年収は異業種より低くなっていることが多いです。そのため、一生懸命仕事をしていても給料に反映されず苦しい思いが続くこともあるかもしれません。

残業が多い

特にマネジャーや店長になってくると顕著かもしれませんが、「営業時間中は当然店にいる」「事務作業は閉店後」ということがあれば、どうしても残業時間は長くなってしまいます。管理職扱いで残業時間が出ないとなると割に合いません。また、シフト制のため自分が休みの日に対応中のお客様の内容確認で電話が来るというのもストレスです。

土日仕事平日休みで予定が合わない

新卒で地元就職の人に特によく聞いていたのが、友人と予定が合わないということです。どうしても異業種では土日休みが多いので予定が合わず、段々と友人と疎遠になってしまうということが起こり得ます。

地方勤務だと逃げ場が作りにくい

友人と予定が合わなくとも、街中であれば色々なところに出掛けられますし、むしろ平日の方が空いていて楽しいということすらあるかもしれません。しかし、地方勤務で知り合いがいない場合そうは行きません。休日も店舗の人と出掛けるということもあるでしょうが、休日は職場の人に会いたくない人や、職場の人と相性が良くない場合逃げ場が無くなりやすくなります。

キャリアの先行きに不安を感じる

「AIに淘汰される職業」などで、小売店員は上位に上がっています。個人的にはコロナ禍でむしろリアル接点の重要性が再認識されているとも思いますが、単純な繰り返し作業はデジタル技術にとって変わられる部分が増えるでしょう。私が店舗で働いていた時は、納入業者さん以外の社外の人と関わる機会が少なく、ビジネス的な観点でスキルを磨く機会がない、仮に会社が倒産したら通用するのかと不安に思っていました。

SPAなどで自社で生産や物流、ITなどにも力を入れている企業であれば、店長経験後に一気にキャリアの可能性は広がると思います。しかし当時の私は、仮に30歳で本社勤務になったとして、10年間新卒からその仕事をしている人には全然叶わないのではないかと思っていました(結果的には半分正解、半分外れだと思っています)。

「仕事辞めたい」という時にやるべきこと

視点の移転(自分を客観視する)

まず最初に、視点を切り替えます。ふと「あ〜仕事辞めたい」と思った時に「あ、今この人は仕事を辞めたいと考えているんだ」と言い換えてください。目的は、考えられる状態に自分を持っていくためです。「仕事辞めたい」モードの時はマイナス思考がループしていって具体的に改善するための頭になっていません。

一度自分を客観視することで、何が原因で、解決のためにどのようにすべきか考えられる状態にします。「あ、今この人は仕事を辞めたいと考えているんだ」→「では、辞めたいと思い詰めている原因は一体なんだろう」という原因追求に思考の対象をずらします。

現状を書き出す

現状を紙に書くとよかったです。目的は「不満の言語化・可視化」「解決対象を絞る」ためです。

手順としては

①軸を用意する
   ・ 自分⇆それ以外
   ・ コントロールできる⇆できない
  という2つの軸で4つの枠を用意します。
②原因を書き出す
  「仕事を辞めたいと思う原因」を、ほんの小さなものでも思いついたものから次々と書いていくとよかったです。    
  最初は愚痴を吐き出すようにするといいです。
③4つの枠の中身について考える
  4つの枠の中で、「自分」「コントロールできる」ところに対して改善の打ち手を実施します。
(筆者作成:「仕事を辞めたい」と思う原因マッピングモデル)

メモアプリなどでも良いのですが、できれば紙に書くことをオススメします。実際に書くという動作をすることで頭の中で反芻・整理ができることと、上記の軸での書き分けをすることで対処すべき原因を可視化することが目的です。

また、箇条書きで羅列していくのも良いのですが、4つの枠で書き換えることで自分がどこに不満を感じているかを可視化でき、的確なものに対処できます。

異動願いを出す

私の場合、他の店舗に転勤することで「仕事辞めたい」モードは解消しました。特に異動願いを出していたわけではありませんでしたが、たまたま転勤で遠くの店舗に異動し環境が大きく変わったことが功を奏しました。環境が変わると好転することはあるので、異動願いを出してみるのは如何でしょうか。

転職する

マインドやスキルなど自分自身のことだけでなく、例えば「クレームが多い」「平日休み」など、不満を感じる要因が店舗勤務に起因している場合、根本を変えてしまうために転職は有効な手段です。

私の場合は転職することで大きくキャリアアップにつながりました。転勤によりクレームなどのストレスは減りましたが、自分が店舗現場以外で通用するのかという不安は常について回りました。経営者向けの営業職に転職したことで、それまでなかったことを次々と身につける機会に恵まれ、可能性が広がりました。私にとっては自分を活かせる可能性が広がることが重要度が高かったため、それを叶える打ち手として転職が最適でした。

転職して仕事を辞める場合の注意点

転職先が決まってから退職する

「転職しよう!」と思ってもいきなり退職せず、転職先が決まってから現職に退職の報告をする方が良いと思います。「仕事辞めたい」モードで冷静は判断ができず先に退職した場合でも、すぐに次の仕事が決まれば当面は問題がないかもしれません。

しかし、そんなにすぐには決まらないかもしれません。私の場合、店舗勤務からの転職は、最初にリクナビネクストに登録してから内定が出るまで11ヶ月を要しました。勢いで退職して雇用保険の受給期間が終わり、貯金を切り崩しながらでは焦り、満足のいく転職活動ができないのではないでしょうか。

平日休みであれば、転職活動はしやすいです。有給を取らずとも面接に行けるためです。そういったアドバンテージを生かしながら地に足のついた転職活動ができる環境を整えてください。

「辞めたい」を一度離れて興味がある働き方を考える

「仕事辞めたい」モードのまま転職すると、自分が本当に求めていることがわからず、転職エージェントに提示された「本人に合ってなくても選考が進みやすい求人」に応募することになります。そういう求人は内定・入社がしやすい代わりに次々に人を採用させる必要がある、つまり、あまり良い働き方ができない仕事の可能性があります。

一度自分自身の価値観・経験・スキル・考え方や興味のあることを整理して、目標設定して掴み取りにいくようにしたほうが納得感のある転職ができると思っています。

「仕事辞めたい」モードのまま転職活動していた時の失敗体験はこちら↓

相談相手を準備する

一人で黙々と考えて進めていると段々煮詰まってきたり、同じことをぐるぐると考えてしまったりすることがあります。入社した同期が近くにいると相談することもできるかもしれませんが、店舗勤務の場合同期も全国の店舗に散り散りになっているため相談相手もいなくなります。

そこで相談相手となるのが転職エージェントです。転職エージェントはキャリアプランやこれまでの経験やスキルの棚卸しを行い、フィットする求人を紹介、入社までの支援をしてくれます。無料で利用できますのでぜひ登録して活用してください。

ただし、転職エージェントの中にはそのビジネスモデルの都合から、求職者に本当にフィットしているかどうかよりとにかく入社しやすい求人に手当たり次第に求職者を当てるような人も混じっています。できるだけ複数の転職エージェントに登録し、セカンドオピニオンのように考えを整理しながら、人間的にも自分と相性の良い人に担当してもらえるよう面談・相談を重ねることをオススメします。

実際に役に立ったオススメの転職サイト・転職エージェントはこちら↓


小売店で働いていると理不尽な仕打ちを受けるシーンもあると思います。しかし、転職を繰り返して理解できたのは、お客様に直接商品を提案、気に入ってもらいお買い上げ頂ける経験は替え難いもので、意外と世の中にはそういったことの大切さや難しさを理解していない人も多い印象です。自分が買い物する時も、明るく接客してもらえるのは良いものです。

しかし、そういう良さに目が向かないぐらい苦しい状況になっていれば自分を労れるように行動してみるのも良いのではないでしょうか。

このページをご覧のかたがより良いキャリアを築く参考になると幸いです。

ありがとうございました。またどうぞお越しくださいませ。

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