いらっしゃいませ。ワタリです。
このブログでは新卒で小売業に入社し、小売(店舗管理)→人材業界(営業)→IT業界(リサーチャー)と異業種転職をしてきた実体験をもとに、異業種転職のポイントをまとめています。
今回は、経験のない異業種へ転職するための自己分析のやり方について解説します。
自己分析で明らかにすべきこと
自己分析の目的は、
- 職務経歴書の作成、面接の準備のため
- 転職や働き方、そもそもどういう生き方をしたいのか整理するため
だと考えてやっていくと良いかと思います。特に後者が大事です。
なぜなら、本当に思っていない建前で転職活動を進めていくと、仮に内定が出て転職したとしても実際に働いていく中で歪みが出てくるからです。自分がどういうことにアンテナの感度が高まるのかを知ることで、自分にとって理想的な働き方に近づけることができます。
とはいえ、転職を考えると対策は必要です。特に異業種へ転職しようとする時は、経験してきた内容が直接活かせません。他の業種でも応用できるポータブルスキルが何かを表現することを念頭に置きながら自己分析を進めましょう。
職務経歴・経験
まずは職務経歴を洗い出しましょう。
- 企業名
- 所属部門
- 所属部署
- 役職
- 年数
- 役割
特に重要なのは役割です。役割と言われてもすぐに思い浮かばない場合は下記の質問への回答を考えてみてください。
- その仕事に与えられたミッションは何ですか
- 誰に、何を、どのように提供する仕事ですか
- 仕事をする中で誰と、どのような関わり方をしますか
これらを言語化したあとは、これまでの経験の中で
- うまくいった(成功した)と考えている経験と、その理由、この経験から学んだこと
- うまくいかなかった(失敗した)と考えている経験と、その理由、この経験から学んだこと
を2〜3個ずつ程度言語化しましょう。これらを考えるときのポイントはストーリーが繋がり、理由をしっかり考えることと、できれば「同じ状況がもう一度発生したとしたら、どのような改善をして動くか」ということも付け加えられるとベストです。
ちなみに、リクナビネクストなどの転職サイトには「職務経歴書作成機能」があり、項目を入力していくだけで職務経歴書が完成するサイトがあります。これを使うと経歴の洗い出しが完了するだけでなく、転職活動に使える正式な書類として仕上げてくれますので、まずは転職サイトへ登録し、職務経歴書作成を進めてから考えることをお勧めします。
スキル・能力
続いて、スキルや能力を言語化しましょう。経験のうち、「この経験から学んだこと」という部分が参考にしやすいと思います。スキル・能力を考えるときに大切なポイントは「〇〇というスキルがあり、御社の▽▽に〜〜という風にお役に立てると思います」ということに繋がるようにする、ということです。
スキルを整理するときに重要なのは、テクニカルスキルとポータブルスキルに分けて整理するということです。特に異業種へ転職する場合は、ポータブルスキルが明確かはしっかり確認しましょう。
テクニカルスキル:その業種や職種で身につけ、活用する専門的なスキルのこと ポータブルスキル:色々な業種や職種で利用できる、スタンスや仕事の仕方などのスキルのこと
職務経歴を整理する中で思いついたスキルは、おそらく多くがテクニカルスキルです。一方で、うまくいった経験などを整理する中で思いついたスキルにはポータブルスキルが含まれやすくなると思います。
考え方の傾向
ここまでで、「どんな仕事をしてきて、どんなスキルや能力を身につけ、それが希望している転職先でどのように活かせると思っているのか」が言語化できていると思います。ここからは、「そもそもどんな考え方をする人なのか」を明らかにしましょう。本来は、こちらから考えるべきかもしれませんが、いきなり「じゃあ、あなたってどんな人ですか」を考えるのは難しいので、まずは考えやすい材料として実際の仕事の経験を利用してきました。
「考え方」として明らかにしておくべきは、特に下記の4つです。
- 何か情報を知った時、どのように考える傾向があるのか
- いくつかの選択肢がある時、どのように選択する傾向があるのか
- 何か取り組む際の始め方・取り組み方はどのようにする傾向があるのか
- 周りの人とどのような関わり方をする傾向があるのか
参考になるのは職務経歴や成功体験・失敗体験だけでなく、小学校〜大学までの学生時代にどういうことを考えていたか、節目でどのような意思決定をしていたか(受験、就職活動、部活…)が重要です。
人間の気質はそうそう変わらないので、特にスキルや能力で「これだ」と思ったものと繋がりのある経験があれば、一貫性が期待できます。とはいえ、環境や経験により考え方も変わるので、変わることも問題ありません。その場合、「元々は〜〜という考え方だったが、▽▽を通して〇〇に変わった」などと言えると良いでしょう。
転職エージェントに相談する
現職と同じ業種へ転職するのであれば、既にテクニカルスキルを備えていたり、業界知識や応用できるポータブルスキルも想像できると思います。しかし、異業種への転職となると、仕事に必要な知識やスキルが不明な上に、自分の持っているスキルが通用するのかもわかりません。
そのため、異業種転職の場合は企業の人の課題を聞き出している転職エージェントに相談することをオススメします。転職エージェントに自己分析で相談するのは
- これまでの職歴でこのようなスキル・能力があると考えているが、妥当か
- ◯◯という業種を希望しており、自分のスキルが〜〜で活かせると考えているが、妥当か
- 妥当でない場合、どのようなスキルや能力が求められているか、自分の経験から活かせる部分がありそうか
を相談すると良い面談になっていました。
転職エージェントは、ここで整理した内容を企業への応募の時にも伝えることになるので、しっかり一緒に考えてくれるエージェントを探しましょう。転職エージェントはどの会社かも大事ですが、どの人が担当につくのかがとても大事です。同じ内容を相談しても担当者によって対応が変わることもよくあります。
実際に私のこれまでの転職では、自分と相性の良いひとを探すために、セカンドオピニオンのような形で多くの転職エージェントに登録し、相談を重ねることで言語化が進み、企業からの反応も良くなりました。ある意味、面接の予行練習にもなるので、ぜひ多くのエージェントへ相談し、キャリアパートナーとなるような人を探してください。
自己分析に使える診断
これまでは職務経歴を中心に検討する方法を解説してきましたが、当然性格などのような自分の特性を明確にしておく必要があります。これをノーヒントで実施するのは難しいので、下記を参考に実施してみてください。
ストレングスファインダー
ストレングスファインダーとは、自分の強みを知ることのできるweb診断です。質問に答えていくことで、34の特徴の中から自分の強みと言える5つの特徴を教えてくれます。
ストレングスファインダーを実施するには、
- 書籍を購入してアクセスコードをwebサイトに入力する方法
- スマホアプリを有料ダウンロードして入力する方法
があります。
アクセスコードは一回だけしか利用できないため、中古の本では診断できないので新品の書籍を購入しましょう。「これが強みです」というのが明確になるため、自己分析を深める参考になります。
マイヤーズ・ブリッグス性格診断
マイヤーズ・ブリッグス性格診断とは、自分の特徴を知ることのできる診断です。質問に答えていくことで、16種類の特徴のうち、自分がどのようなタイプなのかを知ることができます。
こちらはweb上に無料診断できるサイトもありますが、書籍を購入して診断することをお勧めします。各分類の詳細や、向いている職業、どのように活かすべきかなどが解説されており参考になる部分が多いからです。
「あなたはこういうタイプです」と言ってもらえるのは、ちょっとした占いのようでもありますが、自分の傾向をざっくり掴むのには非常に向いています。ぜひ試してみてください。

転職サイトの診断機能
各転職サイトでも、自分の性格やタイプを診断することができます。転職サイトによって診断内容は異なりますので、いくつか登録して試してみてください。
ストレングスファインダーやマイヤーズ・ブリッグス性格診断と併せて、重複している傾向が自分の強い特性だと考えられるので、自己分析を進めたり確かなものにするのに非常に重要です。
自己分析が進んだら、自己PRや志望動機の作成が必要になります。それぞれ解説している記事がありますのでぜひご覧ください。
自己PRについてはこちら↓
志望動機についてはこちら↓
自己分析は職務経歴や強みを明らかにするためにやるというイメージがあるかもしれませんが、実際には自分の働き方やあり方はなんなのかを改めて考える、とても大切な工程です。
日頃忙しくしているとなかなか腰を据えて考える機会はありませんが、仕事を変えるとなると重要な内容です。自己分析がしっかりできないと、面接はおろか転職エージェントとも話がうまく進まないこともあります。
また、自己PRや職務経歴書が完成したら自己分析は終わりではなく、選考が進んでいく中でも、転職した後でも日々続けていく必要があります。単発ではなく、日頃から相談できるキャリアパートナーのような方と出会えると気づきが増えるので、そういった出会いを増やすのをオススメします。
大変ですが、ぜひ頑張ってください。あなたの転職活動やキャリア形成の参考になると幸いです。
ありがとうございました。またどうぞお越しくださいませ。