小売業からの異業種転職で「小売=接客」「数字に弱い」を乗り越えるための2つのポイント

小売からの転職

いらっしゃいませ。ワタリです。

このブログは新卒で小売業に入社し、店舗勤務→人材業界→IT業界と異業種転職をしてきた実体験をもとに、異業種転職のポイントをまとめています。

店舗勤務時、実際に転職活動をする中で、

「小売って結局接客だけやってるんでしょ」
「小売の人って数字に弱いんだよね」

ということを行く先々で言われていました。正直、「それ、わざわざ言う必要ある?」と心の中では思っていましたが、面接の場では対応せざるを得ません。

今回は、どのように対応していたか振り返りたいと思います。実際の転職活動では、このラベリングを突破できたことでむしろ面接後のフィードバックでは高評価となっていることもよくありました。

それでは、考えてみましょう。

原因

根本的な原因は業務範囲の認識のズレです。

通常、自分が関係している業界や職種以外の具体的な仕事内容は直接知りにくいものです。面接官はというと、求職者の職務経歴書や自己紹介を元にその人の業務範囲を理解できます。転職エージェントは求職者との個別のカウンセリングを経て詳細を理解します。

ただし、求職者が小売業の店舗従業員の場合、面接官も個人的に買い物し、接客されることも多いため仕事に触れやすい環境です。その為、「小売業の店舗従業員の業務=接客」と認識しやすい人もいるのでは、と私は考えています。

対策

接客以外の業務範囲を説明する

体感している範囲はあくまで一部であり、業務範囲全体はこうなっていますよ、ということを職務経歴書や面接での応答で伝えましょう。その上で、自分の業務で担当していることや注力していることを伝えるとうまく理解してもらえていました。

数字で伝える

業務範囲のズレが修正できたら、次はそれがどの程度か理解してもらうことが重要です。業務に関わることをできるだけ数字で示すことで、なんとなく考えていることが具体的に共有できます

自分や店舗全体がやっている業務の工数・人時の配分はどのようになっていますか?配分された業務の成果はどの程度、つまり、売上高や達成率、前年比や営業利益高はどの程度で、それは自社の全点平均と比較した時にどの程度でしょうか。

例えばエリアマネジャーが臨店した時、こういう会話よくありませんか

SV・エリアマネジャー
SV・エリアマネジャー

どう?最近売れてる?

店舗従業員
店舗従業員

はい、調子いいですね。

<meta charset="utf-8">SV・エリアマネジャー
SV・エリアマネジャー

特にどの商品が調子いいの?

店舗従業員
店舗従業員

全体的にいい感じですよ。

恥ずかしながら私も店舗勤務時代よくこういうやりとりをしていましたが、よくよく考えるとお互い何の情報の行き来も出来ていません。売れてるにしても何がどれぐらい売れてるのでしょうか。

<meta charset="utf-8">SV・エリアマネジャー
SV・エリアマネジャー

どう?最近売れてる?

店舗従業員
店舗従業員

予算も前年比も103%と好調ですが、客単価が前年より5%下がっていて…販売数量が一番多い⚫︎⚫︎売場のゴンドラ配置を明日変更して、高単価品の接触頻度を上げます。

こちらの方が具体的に現場の課題を共有でき、具体的に打ち手のイメージを共有できるので意味があると思いませんか?SVやエリアマネジャーは担当店舗の課題把握と適切な打ち手の検討が重要なので、課題に対してより良い打ち手があればアドバイスをくれるでしょう。しかし、具体的な現場の状況を共有するには、なんとなくではなく数字で示すことが重要です。

注意点は2つ、

・ 形容詞やどの程度、ということがくっつく表現は数字にした方がいい
・ 話していることが「売上高」「数量」「単価」「人時や工数」などどれかを明確に区別する

「多い⇆少ない」「高い⇆低い」「売れてる⇆売れてない」「足りている⇆足りていない」「早い⇆遅い」など、形容詞は基準がないとどの程度なのか判断できません。想像している基準が自分と相手で一致しているとも限りません。なので数字で示す必要があります。

自店で販売数量が増えていて「売れてる」と思っていても、全店平均より下回っていることもあります。その場合、「予測(または前年)より〜%販売数量が伸びているが、全店平均を×%下回っており対策が必要」と言うのがより正確に近いでしょう。

また、話している内容が何なのかも区別しましょう。店舗で「売れてる/売れてない」の会話をしてい時、売上高のことと販売数量のことが混同していることがよくありました。これがずれていると話している内容がずれてしまいますので、明示しておいた方がいいでしょう。

自分が良い(悪い)と思っていても、周りの人が同じ程度のイメージを持っているとは限らないですが、この認識を揃えないと感覚の話になり、仕事が成り立ちません。

単に転職の面接前に直近の数字を丸暗記するのではただの付け焼き刃になり意味がありません。日々、数字を元に業務や店舗の営業状況を把握し、コミュニケーションをとり改善活動を繰り返すようにしてください。

そもそも数字に弱い・強いとはどういうことか

転職エージェントや面接官に「小売の人は数字に弱い」ということを言われた場合、「自分は数字に強いというのは〜〜だと考えています。」と自分の考え方を示すようにしていました。

また、可能な限り「ちなみに、御社では数字に強いとはどのように定義していますか?」と聞いていました。逆質問以外で質問してはいけないという決まりはありませんし、面接の場では会話をしてお互いを知れる貴重な機会です。

ちなみに、こういう場合は面接官の個人的見解ではなく、会社としてどのように考えているかを聞く方がよかったです。どういうことを重視しているのか理解できます。

私個人としては、

  • 数字やデータを見て現場の状況が映像としてイメージできること
  • 数字やデータを見て問いを立て、原因仮説と打ち手が立てられること

ということを考えています。働く業種は変わりましたが、異業種でも十分該当する考え方だと思っています。あなた自身がどのように考えるのか、一度言語化してみてください。

小売店舗から人材営業、ITリサーチャーへと異業種転職してきましたが、具体的に自部署の営業数値を日々意識しながら仕事をしている人は少なく、これを日々把握し、業務することに努めるだけで差がつきます。

営業職時代、周りが気にしている数字と言えば自分の目標金額・現状の売上・アポ数・アクション数ぐらいでした。業種ごと・ソリューションごとの顧客分布や単価がどのようになっているか、アポ獲得から制約までのリードタイムの分析などをしている社員はほとんどいませんでした。

小売店舗では自店の営業数値、従業員の稼働状況、作業計画に加え、売場分類やカテゴリごとに予算や販売状況、在庫状況など把握すべき数値が大量にあります。数値を元に判断できるのは大きなアドバンテージです。

今回は、小売店から転職する時に言われていた「小売の人は数字に弱い」を乗り越えるためのポイントを振り返りました。

日常的に数字を元に仕事を行い、転職活動も数字ありきで進めることでこのラベルはむしろプラスに働きます。ぜひ、自分の仕事や自店の状況を数字で把握し、「数字に強いってそもそもどういうことだろう」を自分なりに定義してみてください。

少しでも皆さんの転職活動のお役に立てると嬉しいです。

ありがとうございました。またどうぞお越しくださいませ。

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